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●エッセンシャルオイルの働き

・ 生理作用
植物界では、1本の木に害虫がつくと、その木がある種の香り物質を出して警告を発し、それを感知したほかの木は防御体制を整えるそうです。
このことから香りは情報の伝達物質、あるいは他に行動を促すメッセンジャーともいえます。
それぞれのエッセンシャルオイルは鼻から脳下垂体へと伝えられ、様々な生理活性物質を介して自律神経系、内分泌系、免疫系の各所にメッセージを送ります。
旅先で枕が変わると眠れないということがありますが、これはいつもと違う匂いで自律神経に不調和が起きた例です。
また空腹時に美味しそうな匂いを感じるとと自然に唾液が出てくるのは、香りが内分泌系に作用したからです。
このように香りは私たちの生理に対してダイレクトに働きかけています。

・ 心理作用
香りは脳の中の「海馬」という記憶を司るところに伝わります。
ある香りを嗅いだ時に、「懐かしい」と感じるのは、過去に嗅いだ匂いが脳にしっかり記憶されている証拠なのです。
また、エッセンシャルオイルの香りは私たちに「温かい」「冷たい」「乾いている」「湿っている」「拡がる」「縮む」など様々なイメージをもたらすことがあります。
三重大学医学部の小森照久先生はこの心理作用を利用して、医薬品だけではうまくアプローチできなかったうつ病患者に、気分を明るくする柑橘系のエッセンシャルオイルの香りを用いた結果、著しい効果を上げた例を報告しています。

・ 抗菌作用
動物と植物の違い、動物は外敵から逃げることができますが、植物には根があり逃げることはできません。
そこで植物は病原性微生物などから身を守るために、自ら抗菌物質を出す能力が備わっています。
実際エッセンシャルオイルの持つ抗菌力は、香りを空気中に漂わせるだけでブドウ球菌やサルモネラ菌などの細菌や、白癬菌やカンジダなどの真菌の発育を完全に阻止できるくらい強力です。
また抗生物質が効かないウイルス類に対しても抗ウイルス作用があるともいわれています。
インフルエンザウイルスに対する“ユーカリ”などがその好例です。

・ 生体リズムの調節作用
イギリスの病院で不眠症患者に夜間ラベンダーの香りを流したところ、睡眠薬と変わらない効果があり、しかも昼間の睡眠時間が減少したという事例があります。
これはラベンダーの香りが人間の本来持っている昼夜のリズムを回復させたことを示しています。
人間の様々な身体機能、睡眠やホルモン分泌などは1日、1ヶ月、1年といった周期でリズムを刻んでおり、これが体内時計と呼ばれるものです。
この体内時計は脳下垂体の付近にあると考えられていて、エッセンシャルオイルの香りがそこに及ぶことにより、乱れたリズムを正常に戻す働きをするものと推測されます。
この他にもエッセンシャルオイルには抗酸化(老化防止)作用や免疫調整作用、薬理作用などがあり、これらがそれぞれ単独にではなく相乗的に働いていることが、化学合成の医薬品との違いです。